お知らせ

31 March,2007
POSTED21:36:05

リンク

きちんと証明されているわけではありませんが「保守的な意見はリンクが加速されやすい」という言説があります。「沈黙の螺旋」はネット上でも生成されやすいということですが、ネットは沈黙してないところがミソだったりします。賛同を得やすい意見は比較的安全ですからリンクが増加するのでしょう。従って、少数派の意見はリンクが多層化しにくいということになるので、リンクの多数派とリンクの少数派を比較すると、ネット上では多数派が圧倒的な存在であるかのように見えやすいということになります。ブログ検索エンジンなどを利用していると実感いただけるはずです。

当たり前ですが、この多数派の意見は「同じことを言っている」ので、まるでコピー&ペーストしただけではないかと思われるようなものが爆発的に露出します(実際コピー&ペーストも多い)。検索エンジンはsemanticではありませんから読むほうは大変です。国立情報学研究所の高野さんは月刊アスキーのインタビューで、この現象を「ハウリング」とおっしゃってました。わかりやすい表現ですね。物理的な文字の量は確かに多いが、意味の種類はそれほどではない、といったところでしょう。

現在のネット上のリンクは、ただ単に「つながっている」だけで、それ自体が論理的な意味や感情的な意味を持っているわけではありません。trackbackという仕掛けには多少「おれのサイトにずけずけと乗り込んできやがった」というニュアンスを感じないこともありませんが、その本当の意図を読み解くのは少し難しいことが多いですね。

というわけで、これからもリンクは論理を持たず、感情を持たず、物語を生成できないのだ、と言われたら、新規事業開発担当として「そんなことはないだろう」と考えなければなりません。但し、巨大なクラスターが出来にくいほうが正しい、というゴールになるはずなので、あまり儲からない可能性が高い。どうしてもトランザクションが小さい、長尾(long tail)になるわけです。従って、この「高機能リンク」は、取引単価が高いもの、要するにB2Bのリンクに向いているかもしれません。人材募集で言えば、アルバイトをたくさん集めるのではなく、ヘッドハンティングに近い行為です。ここは強力なフィルターを必要とする信用取引になります。

Posted by takeda at 21:36 | Trackbacks [0]

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