お知らせ

13 February,2008
POSTED22:53:46

コンテンツの価値

コンテンツの価値は、1)正味価値、2)差し出され方、3)受け取るユーザーのコンテクスト(文脈)、この3つの掛け算で決まります。世間で議論されている「コンテンツ」は1)を指すことが多いのですが、これを純粋に抽出・評価するのは意外と困難です。

もっとも判りやすいのは2)の価値で、これは「プレゼンテーション」という言葉に置き換えることが可能です。プレゼンテーションは実に多くの要素から構成されます。例えば新聞を例にとると、1)に相当するのはテクスト(文字)や写真くらいしかないのですが、2)に該当するものとしては、

・ヘッドライン、リード、キャプション
・レイアウト/デザイン
・編成(方針)
・筆者(のプロフィールや過去の実績)
・紙自身の物性(折り曲げ自由、軽量、インク、反射光、ディスポーザブル)
・時間による切り口(昨日一日に起きたことをまとめる、という行為)
・宅配制度
・価格

など、実に様々な要素が考えられます。従って、1)と呼ばれているものの実態はほとんど2)で構成されているので新聞のメディアとしての価値は1)よりはむしろ2)にあるのだろうと考えるのが自然でしょう。良くも悪くもプレゼンテーションこそがコンテンツなのです。また、ネットメディアは2)が案外貧弱だ、ということにも留意しておきたいと思います。

3)の価値を決める要素には時刻・場所・性別・年齢・所得・状況など、20種類程度のパラメータが想定されます。これはわりと計測しやすい(工学的な分析対象となりやすい)のですが、当然のことながら、言い換えればこれは「受信者の都合」に他ならないので、「発信者ができることは追随だけ」ということになります。但し、コンテンツの信頼性を担保するのは1)や2)ではなく、この3)に拠るところが大きいということについては注意しておく必要があるでしょう。

Posted by takeda at 22:53 | Trackbacks [0]
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